スパイの妻

2020/11/23

Movie

3連休でした。ほとんど家でぐうたらしていました。
ふと、CMで料理を作るゲームがやっていたんですけれど、子供のときに遊んでいたピコを思い出しました。よく覚えているのは、アンパンマンとかディズニーのとかで、パンケーキを焼くゲームを延々とやっていた記憶。

映画を観にようやく外に出ました。観たのはスパイの妻。前にテレビで紹介されていて、「裏切りのサーカス」とか好きなので、気になっていました。ちょっと前に原作と同名のアニメ「ジョーカー・ゲーム」という作品がありましたが、話の舞台も同時代なので、観ていてアニメの風景と重なる部分もあって面白かったです。裏切りのサーカスとかと同様、スパイもののサスペンスだけれども、よくあるようなアクションとかなく、物語が進んでいました。静寂のような中にある「動」の部分というのが、より引き立っているようにも思いました。
聡子さんは最初、旦那さんをとても愛している、可愛らしい奥様という雰囲気だったのですが、ある瞬間を境にそれがだんだんと様相が変わっていくのが、面白かったです。夫・優作のために親族を切り捨てることもしたり、大胆な行動に出るところが、却ってはらはらさせられました。
一方、優作さんの方は終始謎めいた雰囲気。表向きは気さくで人当たりもいい。けれど、その裏では何を考えているのかわからない物言い。一体、どこからどこまでをわかっていて、計算していたんだ? と思わされる。にこにこしているときにはとても和やかなのに、冷たい表情のギャップが印象的でした。

終盤で聡子さんは精神病院に入れられるのですが、そのときに言っていた言葉が、一番重く残っていました。「私は狂ってなどいません」。でも、その狂っていないことが、当時のあの場所では彼女を「狂っている」とさせていた……。幸福か、正義かという話を夫婦がしていたシーンを思い返していました。

最後の最後は、それから二人はどうなったのか、というのを想像させてくれます。自分は、多分、あの二人はもう巡り合うことはないんじゃないかな、と想像していました。でも、聡子さんは優作のことを敬愛し続けるんだろうな……なんて(「千年女優」みたい?)。観た人によって最後からどうなるかは違ったことを想像すると思うので、誰かと見ると、一層面白いんじゃないかなぁ。

あと、建物とか、車とか当時を再現されていると思うんですけれど、特に建物見るのがすきなので、背景とか含めて、観ていて面白かったです。東京にも、江戸東京たてもの園という場所があるので、またいつか行きたいですね。