ニール・ゲイマン「北欧神話」

2019/10/20

Book

北欧神話っていうと、何をまず思い浮かべますか?
ロキ、オーディン、トール、それにラグナロク……どれもファンタジーものが好きな人なら、ゲームやアニメ、小説で触れたことがあるのではないでしょうか。
自分も例にもれずその一人で、中学生くらいのときに、図書館にあった北欧神話を借りて読んだことがあります。ニール・ゲイマンの北欧神話は、ハードカバーからファンタジー好きの心を掴んでくれるデザイン。
そうそう、ニール・ゲイマンといえば、ちょっと前にネットで話題になった「グッド・オーメンズ」の著者の一人(テリー・プラチェットとの共著)。そのせいか、この物語に出てくる「ロキ」はなんとなーく、グッド・オーメンズのクロウリーみたいにスタイリッシュな風貌を想像してしまいます。
前に「小説家になろう」で、自分もファンタジーものを書いていたんですけれど、それも北欧神話を少しベースにしているので、改めて読んでみると、こんな話だったなぁと懐かしいと同時に新しい発見のようなものを感じました。だいたい登場するのってオーディン、トール、ロキなんですけれど、個人的にはバルドルの死の話が印象的です。目の見えないホズが、ロキに騙されて兄のバルドルを殺してしまうというお話。で、ホズも弟であるヴァーリという神に殺されてしまう、という個人的にはものすごく切なくて惹かれる物語なんですよね。しかし、最も惹かれることは、今存在する多くの物語の形が、遥か昔の神話と通ずるものがあることだな、と。
あと、中学生のときから覚えているのは、フレイヤの代わりに結婚式に出るトールの話。トールは花嫁姿をして、ロキがその従者に変装するんだけれど、読んでいて、別にこれフレイヤ役ロキでよくない? とか思ったり、トールもうちょっと花嫁のフリする努力して! とか、なんだか笑えてしまうのもご愛嬌。
ちなみになんですけれど、この「なろう」に投稿していた話は、こっちのサイトでも掲載するつもりです。一旦書いてみてから見直してみると、いろいろと設定とかを考え直したり、構成を変更するので、ほとんど書き直しになるんですけれど……。主人公の名前が「ロキ」で、世界の名前が「ヘルハイム」で、「ヘルハイム」の主人はロキの娘のヘルだろうとか、まぁ思い返せばいろいろとツッコミどころが多いですが(しかもロキの能力は炎。それ、ムスペルヘイムのスルトじゃん、とか)、これはこれで楽しんでほしいな、と願っております。