久しぶりの映画館(MINAMATA観てきました)

2021/10/01

Movie

9月中に投稿するはずが、もう10月でした……。
この前の連休前にレンタルビデオショップに行って、適当に何本か借りたのですがお店を歩いていると、ふと目にした気になった作品との出会いが多くて面白いですね。この間は、「スタートアップ」という映画を借りました。何がそんなに目を引いたかというと、なんかかわいいおかっぱ頭になっているマ・ドンソクの笑顔ですね。コワモテ役で有名な役者さんがなぜ……?! と思わず二度見。そして中華料理店でジャージャー麺を作っている。実際動いているところを見ると余計笑いがこぼれますね。でもやっぱり強かった。コメディではあったのですが、料理屋にいる他の従業員にもそれぞれシリアスなところもあって面白かったです。

さて、公開初日の23日にMINAMATAを観てきました。なかなか映画館に行く機会も減ってしまっていたのですが公開前から観てみたいな、と思っていて休日にとても珍しく早起きして一番早い時間で観てきました。主演のジョニー・デップはじめ日本人キャスト、とても豪華なメンバーです。
「史実に基づいた物語」と前もって記されて始まる当作品は、写真家ユージーン・スミスが水俣を訪れ、そこで闘う人々を撮影するというもの。
自分も学校などの教育の場で、四大公害病の1つとして水俣病について学びました。とはいえ、そこで見聞きしたことなど「そういうことがあった」という程度であって、人々の闘いや苦悩についてはあまり知らないでいました。訴えを続け、闘おうとする人々の緊張感や静かな迫力はスクリーンからとても伝わって来ましたし、その一方で闘うことに疲弊してしまったり、向けられたカメラにさっと顔を背けてしまう人々の姿にもただ悲しいというのではない、胸の締め付けられる感じがしました。闘い続けることが—しかもそうすることで他の者から批判されたり傷つけられる状況で—どれだけ苦痛だろうか。
それと、最後のエンドロールまで観たほうがいいなと思う作品でした。そこで席立ってしまうかもしれないですけれども……。世界各地で起きている公害を映した写真が流れます。日本ももちろんありますし、誰しもが聞いたことのあるものもあります。いずれにしても公害が世界各地で発生し、いまだに闘っている人々がいる中でも新たな公害がどこかで起きているということには、改めて自分たちの身の回りで起きていることにもう少し関心を持たなければという気持ちにさせられます。
あと印象に残ったのは、シャッター音でした。写真を撮ることについてユージーンの台詞があるのですが、シャッター音と銃声がどこか重なる感じがしました。彼の戦争の記憶と、どこか繋がっているような。写真を撮るということも一つの闘いでもあるのでしょうか……。
自分が行ったときの会場の状況としては世代は少し上の方々が鑑賞しているんだな、という感じでした。もちろん今はこういった状況でなかなか劇場に行くのが難しいのですが、当時のことを知らない若い世代にこそ見てほしいな、と思いました。そこから何かを考えたり、学ぶきっかけになればとも。当時のドキュメンタリーや本もありますね。

そういえばあんまり俳優さんのことは詳しくないのですが、加瀬亮さんは映画「スカイ・クロラ」のカンナミの声をやっていらしたのと、伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」の兄役で出演されていて、どちらも好きな作品だったので覚えているのですが、なんというか穏やかで静かな雰囲気だけれども熱いものを持っている感じが良かったな、と今作を観て思い出しました。特にスカイ・クロラの、あの普段は淡々としているけれど感情が滲み出てくるような話し方が好きでした。