昨年末からなんとか続いていることがあります。
読んだ本のメモというか、簡単に感想みたいなものをノートに記録するようにしています。
日記をつけてみたいと思ったことは何度かあるのですが、悲しいくらいに続かないんですよね。
せめて読んだもののメモくらいとってみるかと、去年の12月(このブログでサリンジャーの感想書いたくらいのとき)から始めてみることにしました。
ルポや新書で〜〜入門みたいなものも読むときがあるので、そういうときは特に頭の中整理できていいな、と今更ながら。そのせいなのか、あんまりブログの方に掲載する気にもなれず。
最近、日本の小説あんまり読んでいないなと思っていたのですが、勧められて読んだのが、なかにし礼著「赤い月」。読んでから知ったんですけれど、映画化されたり、ドラマにもなっていたんですね。
昭和9年満洲に移り住んで大きな酒屋を営んでいた森田一家が、ロシア軍による侵攻によりこれまで築き上げてきたすべてを投げ捨て、日本への引き揚げまでを描く物語ですが、その間にも森田酒造の家長勇太郎の妻波子(物語の中心人物)たちの愛憎絡み合った物語が展開されていて、とても重々しい。上・下巻で分かれていて、上巻は森田酒造に出入りしているスパイの話と、先の満州からの脱出劇が展開されていて、その後に波子と勇太郎との出会いや満洲で酒屋を開くまでの過去の話が下巻まで織り込まれているのですが、この過去にも彼らの中には見知らぬ土地でどうにかやっていこうとするも、時間軸を冒頭に持っていけばそれもあっけなく崩れている。作中にも非常に空虚なものだと言われているし、読んでいる側も歴史上の出来事としてそのことは知っているけれども、物語の中の彼らは夢中だったのだろうというのが余計に虚しくもなり。
作者のなかにし礼氏も、幼少のときに残っていた満洲での実体験からこの作品が生まれたということ、後年牡丹江を訪れたという序文が掲載されています。そこに歴史の重みを一層感じます。〜ということがありました、ということは歴史の勉強でも知ることができるけれども、そこにどんな人々がいて、どんな思いをして、そしてそれがどのようにして継承されているか、ということまでは自分には簡単に想像もつかず、こういった物語を通してようやく、ほんのわずかながらに1つ学べるといった程度なんだな、と。
波子を中心に愛をめぐる話がいくつか出てくるのですが、単純にその人が好き!みたいな簡単(というべきなのか?)という愛ではなくて、むしろそれって愛に依るものじゃないんじゃないか……と思わせるなんともいえない関係性の描写が、結構印象に残りました。読んでからもそこはちょっと考えてしまう面白さも、あると思います。あと、人から勧めてもらう本は、普段自分が読まないジャンルだったりするのですが、発見もあっていいですね。
一旦こうやって感想書くんだけれども、なんか書き足りないと思うことも少なくないのですが、結局まとまらないのでこのくらいで。