TENET

2020/10/11

Movie

ただいま映画館! という気分になりました。そんな数ヶ月ぶりの映画は4DXのTENETでした。初4DX。椅子が動いたり、空気がしゅっとなるやつ。すごい動き回るのかなと思ったんですけれど、たまーに、心地よい揺れ方されました(船のシーンとか、揺れるし風が具合いいし)。戦闘の場面は振動があったり、臨場感がありました。
そういえば最近3Dの映画って見なくなりましたね。アリス・イン・ワンダーランドとかやっていた時あたりに、あった気がするんですけれど(メガネの管理とか大変か……)。

さて、雑な感想。
あんまり前知識入れないで見たんですけれど、難しい難しいって言われていて身構えていたんですけれど、観ていく中で、あの部分はこうなっていたんだな!と思えるところがあって、でもちょっと難しいところがあって、そこがもう一回見たいと思わせるところなんでしょうかね。
主人公が名前のない男っていうのは後々になってそういえば……となりました。そういう作品はこれまでもあったのかもしれませんが、自分は初めて観ました。
タイムスリップとはちょっと違うらしいんですね(厳密にいうと「エントロピーの逆行」、というらしい。らしい……)。時間の流れを逆行しているんだなーという感覚。
主人公は翻弄されながらも、最後の方になってみると、この人めちゃくちゃキレ者じゃねぇか……! とさせられますね。演じているのはジョン・デヴィット・ワシントン。ん? なんか聞いたことあるようなないような……と思っていたら、お父さんはデンゼル・ワシントン。まさに自分がマグニフィセントセブンにはまっているときに(サム・チザム役)……! アクションもすごかったです。冒頭の突撃シーンなんか、結構ドキドキしました。
自分がめちゃくちゃ気に入ったのは、その相棒のようにするりと現れる「ニール」。隙がなくて、ミステリアス。でも、作戦に成功したりすると無邪気に喜んだりする。なんとも愛嬌のあるキャラクターでした。演じていたのはロバート・パティンソン。トワイライトシリーズのエドワード、ハリポタのセドリック役で有名な方ですね。当時は好青年でしたが、とても素敵な歳の取り方をされている、大人な男性に。そして敵となるのはケネス・ブラナー(そういえばハリポタでギルデロイ・ロックハート役でしたね。)演じるセイター。狡猾ながらも、どこか寂しい男でした。何もかも手に入れられると思っていながら、本当は何も手に入れることができない虚しさ。その妻役にはエリザベス・デビッキ。描いたように綺麗なんですけれども、自由を求めている儚さと、自分も闘うという意思の強さが輝いていました。

これから先ちょっとネタバレ。
このストーリー、名も無い男の順行と逆行から、敵と闘うものなんじゃないかなーと思って観ていました。逆行側がニールで。主役は男だけれども、主人公は男とニールの二軸なんだろうなと。だから、最初の方のガラス一枚を隔てたところで男とニールが並んで歩いたり(これが、「検証窓」の伏線だったのかな)。男は未来へ、ニールは過去へ。あの物語の中での彼らの「時」が交差する、その交点を見ていたようで面白かったです。(空港の保管庫でニールが武器を持った男のヘルメットを取った瞬間だけ映っていたところから、「もしかして……」と思うところがあって、それが後半すっきり)
「起きてしまったことは仕方ない」。ニールは初めからわかっていたんですね。余計に、友情というものを口にしていた彼が切なくなります。でも、「記録は残る」。一つ一つの言葉も思い返すと……まさに「逆行」? 考察はいろんな人も雑誌とかでもしてくれていますし、パンフレットにも驚いた考察があったので、見終わっても楽しめる作品でした。